ごぶさたしてます、YUDAIです。
相変わらず外ではマスクを外せない時期が続いてますね。
最近は周りを見渡してみると、ほとんどの人が完全ワイヤレスイヤホンを着けてスマホから音楽を聞いたり、動画を見たりしています。
最近はノイズキャンセリング機能付きのイヤホンも増えてきているので、移動中に使うイヤホンとしてこのような機能を条件に選ぶ人も増えてます。
でも、強力なノイズキャンセリングが搭載されている完全ワイヤレスイヤホンは高いものが多いし、自分に合わないものを選んで失敗したくないですよね?
そこで今回は、アクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている人気ワイヤレスイヤホン7機種を徹底比較!
音質の傾向や使用用途によっても選択肢が異なるので、参考にしてみてください。
長い記事ですが、目次から気になる機種の紹介へ飛ぶことが出来ます。
本記事の内容
- 1 ノイズキャンセリングって必要?
- 2 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 1, Apple:Airpods Pro
- 3 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 2, SONY:WF−1000XM3
- 4 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 3, BOSE:QuietConfort Earbuds
- 5 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 4,ゼンハイザー:MOMENTUM True Wireless 2
- 6 ノイズキャンセリング付き完全ワイヤレスイヤホン 5,Technics:EAH-AZ70W
- 7 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 6,JBL:CLUB PRO+ TWS
- 8 ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン 7,Jabra Elite 85t
- 9 まとめ
ノイズキャンセリングって必要?
ワイヤレスイヤホンを選ぶ時によく問われるのが
というものです。
そもそも、ノイズキャンセリングには2種類あるということはご存知でしょうか?
アクティブノイズキャンセリング
アクティブノイズキャンセリングは、皆さんが思い浮かべる一般的なノイズキャンセリングのことですね。
本体のマイクから外部の騒音を取り込んで解析し、それと逆位相の音波を流して打ち消し合うことで耳に届く騒音を消す方法です。
外の音を取り込むと同時に超高速で処理をしなければならないので、その分コストもかかります。
パッシブノイズキャンセリング
パッシブノイズキャンセリングは、人間工学に基づいた有機的なデザインや、遮音性の高いイヤーピースを採用することで、耳栓のような感じで物理的に騒音をシャットアウトする方法です。
想像しやすいものでいうと、ステージで歌うアーティストが使っているイヤモニなどがありますね。
あれは耳型を取ってその人だけに合うように作っているので、耳の中全体にビッタリと密着して遮音しているわけです。
それをもう少し簡略化したユニバーサルデザインのものが、比較的手頃な値段でも手に入ります。
結論:場面によってはアクティブノイズキャンセリングが必要
個人的には、これまではパッシブノイズキャンセリングが効いている機種であれば、アクティブノイズキャンセリングは不要だという考えでした。
アクティブノイズキャンセリングを搭載すると、元々の音にノイズをカットする音情報も上乗せする必要があります。
そのため音質にも影響するし、バッテリー持ちも短くなってしまうというデメリットが起こります。
でも、最近はアクティブノイズキャンセリングもついている方が良いという考えになってきました。
今は電車に乗っていると、換気のために窓を開けていることが多いですよね。
その環境でイヤホンを使うと、パッシブノイズキャンセリングだけでは車窓から流れ込んでくる騒音や風切り音には太刀打ち出来なくなったんです。
では、音質になるべく影響せず、ノイズキャンセリング効果も強いイヤホンとしてはどれを選べば良いのでしょうか?
それぞれの特徴、Bad、使う目的などで比較してみたので、順番に見ていきましょう。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
1, Apple:Airpods Pro
まず1つ目に紹介するのは、完全ワイヤレスイヤホンといえばコレ!というぐらいに普及しているAppleのAir pods Proです。
完全ワイヤレスイヤホンといえば、というよりは、iphoneユーザーが使うイヤホンといえば、と言った方が正しいでしょうか。
音質の傾向としてはながら聞きを狙っている感じの、シャカシャカしないけど弱ドンシャリで軽めの音質といった印象。
音質よりも、Appleユーザーにとって便利な機能が詰め込まれた総合ガジェットとしての性能を発揮する製品ですね。
Good ノイズキャンセリング・外音取り込みはトップレベル
Airpods Proでまず評価されるのは、ノイズキャンセリングの強さと外音取り込みの自然さです。
本体のうどん部分をつまむことで外部マイク機能を切り替えることが出来るのですが、ノイズキャンセリングは人の話し声以外がほとんど聞こえません。
外音取り込み機能に関しても、周りの音をまんべんなく取り込み、マイク独特のホワイトノイズもなく、まるでイヤホンを外したかのような感覚になります。
Good 業界唯一の「ほぼ無遅延」
H1チップを搭載しているので、iPhoneとの接続性は間違いなし。
遅延もほぼゼロで、イヤホン単体で音ゲーをプレイできる完全ワイヤレスイヤホンは今のところほぼAir podsシリーズのみと言われています。
Good 軽い装着感
Air pods Proといえば初代から受け継がれている「耳からうどん」スタイルのシンプルなフォルムと、この機種から採用された専用イヤーピースによる軽い装着感ですよね。
完全ワイヤレスイヤホンはどれも筐体が大きく、耳に収まらないという人が最後にたどり着くのはこの形であるといえます。
Bad バッテリー駆動時間
Airpods Proのバッテリー駆動時間は最長で4.5時間。
最近販売されているノイズキャンセリング付きイヤホンの平均駆動時間はだいたい6時間ぐらいなので、それと比べると2/3の時間しか動きません。
更にヘッドホン調整や空間オーディオの機能を使うと多くのデータ処理を行うため、更に短くなる傾向にあります。
Bad Androidユーザーには向かない
やっぱりApple製品は、乱暴に言えば囲い込みのような売り方をするので、Airpodsの機能性をフル活用するためにはApple製品とつなげる必要があります。
Androidで接続すると遅延は少し大きくなり、ゲームで使えるほどの接続性は失われます。
2020年9月に大型アップデートがあり、空間オーデイオ機能が追加されたことが話題となりました。
仮想的に三次元の空間を作ることによって映画やドラマをシアタールームで聞いているように楽しむことが出来る機能ですね。
そんな空間オーディオ機能も最新のiOSと連携してのみ初めて使えるものですし、使えるコンテンツもApple TV+のごく一部なので、ある種宗教的にApple製品で身の回りを固めなければならないというのが最大のBadですね。
Bad 音質ではアップデート後も及第点を超えず
Airpods Proはあくまで音楽に集中するためのものではなく、日常にBGMを流しつつ利便性を向上させるためのデバイスであると考えた方が良いでしょう。
空間オーディオ機能と同時にヘッドホン設定機能も追加され、ある程度自分の好みに寄せた音へ調整出来るようになりました。
しかし音質をある程度調整することは出来ても、同価格帯の他機種と比べて飛び抜けて解像度が高いということもなく、あくまで及第点に届くかどうかの域に収まっているという印象です。
総合評価 日常を快適に過ごすための総合ガジェット
Airpods proは音楽を集中して聞くというより、ながら作業に適した音質であるといえます。

iPhoneユーザーで、そのような目的の方には最適な製品ですね。
操作性に関しても、本体をつまむという動作で音量やノイズキャンセルの切り替えを行うことが出来るので、誤操作をすることがないという信頼感があります。
空間オーディオ機能にはAppleユーザーにしか体験出来ない特筆すべき感動があるので、環境が揃っていれば検討する価値は十分にあります。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
2, SONY:WF−1000XM3
次に紹介するのも定番となった人気機種で、Airpods Proとどちらを選ぶかで悩む方が多い機種ですね。
どちらかというと音質にウェイトを置いているのがこちらのSONY、WF-1000XM3となります。
音質は解像度がかなり高い印象で、どの帯域も埋もれずはっきりと届けてくれますし、アプリと連携して、イコライザーとDSEE HXを併用した音質調整も可能。
街中でもAir pods proに次いで使っている人を多く見かける製品です。
Good 音質重視のノイズキャンセリング
ノイズキャンセリングの強さはAir pods Proより少し抑えられた印象です。
でもSONY独自のノイズキャンセリングチップQN1eの精度は高く、低音域の騒音を重点的にカットするので、音楽を鳴らしている時には周囲の音が全く気になりません。
またそれぞれの帯域を解析する能力が高いので、ノイキャンオフの時と比べて音が痩せるという感じもありません。
Good DSEE HXによるハイレゾ級音質
SONYの特許技術であるDSEE HX機能を搭載し、通常音質の音源でもハイレゾ級の高解像度で聞くことが出来ます。
そもそもDSEE HXというのが何かと言うと、現在世の中に存在する全ての音源というのは、元の音を表す波形を圧縮して細かい「点」を打ち込むことでデータ化しているんです。
その「点」の数が多くなるほど元の波形に近づいていくということになるので、圧縮音源の足りない空白部分を電子的に補完し、ハイレゾ級の情報量に変換する技術がDSEE HXというわけです。
Good アプリによる自動マイク調整機能
アプリの「アダプティブサウンドコントロール」機能をONにすると、自分がいる場所によってノイズキャンセリングをオンにしたり、外音取り込みモードにしたりという切り替えを自動で行ってくれます。
レジで会計をする時にイヤホンを外さなくていいどころか、一切触れることなく相手の声が聞こえる環境に切り替えてくれるので、荷物で両手がふさがっていたりすると非常に便利です。
デフォルトの状態だと不必要な場面で外音取り込みモードになったりもしましたが、アップデートでよく行く場所を学習させることが可能になり、より利便性が高まりました。
Bad コーデック
WF-1000XM3に関して欠点は少ないといえる部類なのですが、コーデックがSBC・AACのみというのが気になるところです。
2万円を超える完全ワイヤレスイヤホンはクアルコム社製ではない独自規格のチップを使っていることが多いので、対応コーデックは上記の2つに絞られる傾向にあります。
でも量販店ではウォークマンとのセット販売を狙ったような展示になっているので、それならばapt-xやL-DACといった高音質コーデックにも対応していてほしかったところです。
DSEE HXによって高音質化されているので、コーデックの違いが音質に影響することはないという判断で作られているのかも知れませんが。
Bad 防水非対応
WF-1000XM3には防水規格が対応していません。
なのでスポーツには向きませんし、雨に濡れて壊れても保証は利きません。
他の同価格帯のイヤホンであればIPX4(全方向からの水飛沫に耐えられる)程度の防水性能を備えているので、この点においては1機種だけ劣りますね。
Bad 今買うタイミングではないかも?
2021年2月現在、WF-1000XM3が発売されてそろそろ2年が経とうとしています。
アプリのアップデートで不具合を改善したりといった対応がされてきましたが、近い内にモデルチェンジした新型が発表されてもおかしくありません。
その時になればコーデックが見直されたり、ケースが小型化されたり、防水対応になったり、ワイヤレス充電にも対応したりといったバージョンアップが見込めるので、最新型にこだわるのであれば選択肢から外した方が良さそうです。
総合評価 音楽に全集中するイヤホン
WF−1000XM3は、まるでアーティストがその場で歌っているような錯覚を覚える再現能力の高さが評価のポイントといえます。
反面音の広さ(音場)としては平均程度で、比較対象の他機種と比べても音の輪郭がハッキリしてる分、長時間の作業をしながら使おうと思うと疲れるかも知れないですね。
1回の使用で1〜2時間ぐらいがベストではないでしょうか。
楽器の音がはっきりともれなく聞こえるので、耳コピなどをするのにも向いているといえますね。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
3, BOSE:QuietConfort Earbuds
BOSEの次世代完全ワイヤレスイヤホンは、アクティブノイズキャンセリングの祖ともいえる同社の技術がこれでもかと詰め込まれた製品となっています。
音質の傾向としては従来のBOSEシリーズをある程度踏襲しつつも、前作までのように極端なドンシャリではなく、全体的にバランスを取りつつも沈み込む低音が心地良いものになっています。
Good 優れた外音コントロール
左本体を2回タップするごとに、ノイズキャンセルの強さを3段階に設定可能。
デフォルトの状態では10・5・0の3段階に割り当てられていますが、アプリ内で全11段階から自分に合った強さに設定出来ます。
電車の中でもほとんどモーター音が聞こえず、音楽を鳴らすと自室で音楽を聞いているのとほとんど同じ感覚になるぐらいなので、ノイズキャンセリング機能はAirpods Proと同等かそれ以上かと思います。
電車の中では最大、外を歩く時には5、レジで会計する時は0などのように使い分けると非常に便利です。
Good 他の追随を許さない快適な装着感
Airpods Proも軽い装着感で人気ですが、BOSEが開発するStayHear™ Maxチップは今回から新開発されたものが付属します。
イヤーフィンの部分がピッタリとフィットし、本体サイズの割にほとんど着けていないような感覚なのに、遮音性は高いという不思議な装着感です。
長時間着けていても全く負担がないので、Airpods Proだと軽すぎて心許ないという方に最適といえます。
Good ペアリング操作が確実
こうした完全ワイヤレスイヤホンで陥りがちな悩みとして、ペアリング操作が分からないということが挙げられますよね。
ケースから取り出せば自動的にペアリング状態になるものが多いですが、他の端末へ新しく接続する時に手間取ることがあります。
SONYのものなどは、本体のタッチパネルを7秒間長押ししなければなりません。
しかしBOSEの場合は、ケースを開いて中央にあるペアリングボタンを3秒程度長押しすれば、本体を取り出すことなくペアリングモードに切り替わります。
2台目を接続する時も最初にペアリングする時とやり方が同じなので、操作に迷うことがありません。
Bad BOSE音質の変化
音質に関して、これまでのBOSEが作ってきた音が好きだという方にとっては物足りなく感じるかも知れません。
低音のアタック感は充分あるのですが、従来のものと比べるとバランス重視の音になっているので、ドコドコ打ち鳴らすような響き方ではないですね。
反面ジャンルを問わず気持ちよく聞けるサウンドではあるので、好みの問題になると思います。
Bad 本体の操作性
本体で操作出来るのはノイズキャンセリングのレベル調整以外に再生・停止・曲送り・アシスタント機能の起動。
最近アップデートでスワイプ操作が加わり、音量調整が出来るようになりました。
しかし曲戻しが未だに対応していないので、操作性に難を感じるという方は多いようです。
Bad イヤーピースは専用設計
BOSEのStayHear™ Maxチップは専用設計のものです。
イヤーフィン部分は、下に図示している「対耳輪下脚」の下にある溝へ収まるようになっています。
なのでこの溝がない右図のような「立ち耳」と呼ばれる構造の人は、満足なフィット感が得られません。
他社製のイヤーピースと互換性がないので、イヤーフィンが収まらなければどうしようもありません。
総合評価 ブランド✕ノイズキャンセリングの強さで人気
個人的には、BOSEというブランドにこだわるのでなければ他にも選択肢はあるな、という印象です。
装着性や音の傾向は、一見万人向けに見えて意外と人を選ぶので、一度試聴することは必須だと思います。
また操作性の評判もあまり良くないので、今後のアップデートに期待という感じですね。
ちなみにデザインは全体的に樹脂っぽさが目立ち、ブラックだとチープな印象になるので、周りと差別化を図り高級感を出すのであれば、ホワイトの方が良いかも知れません。
マイクの性能は間違いないので、Apple派ではないけどAirpods Proぐらいのノイズキャンセリング機能を求めるという方にはオススメです。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
4,ゼンハイザー:MOMENTUM True Wireless 2
ドイツの名門音響メーカーSENNHEISER(ゼンハイザー)は、前作のMOMENTUM True Wirelessの大きさを約2mm小型化。
音質は前作の迫力と明瞭感をそのままに、ノイズキャンセリング機能も搭載したアップデートモデルとなっています。
Good 業界最高との呼び声が高い音質
老舗音響メーカーのノウハウが詰め込まれたダイナミックドライバーから生み出される音は、有線イヤホンと比較しても全く引けを取らない明瞭感と、かなりキレがあるメリハリの効いた低音が印象的です。
ノイズキャンセリングを使っていても音場は広く、高域もよく伸び、更にノイキャン非搭載だった前作のMOMENTUM True Wirelessと比べて遜色がないどころか、中高音域の明瞭感がアップしているというのが最も評価されるポイントといえます。
Good 違和感の少ないノイズキャンセリング
アクティブノイズキャンセリングの中にもいくつか種類があるのですが、多くの完全ワイヤレスイヤホンで搭載されているのは、本体内側のドライバー近くに搭載したマイクで音を取り込むフィードバック方式です。
この方式だとノイズキャンセリングを効かせた時に音質への影響が起こりやすく、圧迫感を感じやすい傾向もあります。
ゼンハイザーの場合は、本体外側の方に搭載したマイクで騒音を検知するフィードフォワード方式を採用。
これによって他社製のノイズキャンセリングと比べると少し効きが弱くはなるのですが、音質への影響が少なく圧迫感もありません。
またマイクが外側にある分、外音取り込みの精度が高くなるというメリットもあります。
Good バッテリー持続時間の向上
前作はバッテリーの持ち時間が4.5時間、ケース込みで19時間と短く、更にケースに入れて放置していると自然放電が多く、頻繁に充電しなければならないというところが最大のデメリットでした。
その課題を全てクリアし、本体の持続時間は7時間、ケース込みで29時間となりました。
自然放電もしなくなったので、ほとんど弱点がなくなったと言っても良いと思います。
Good アップデートでハイエンドサウンドチューニングが追加
最新版のファームウェアでは、音場を更に広げてサラウンド効果を実現するハイエンドサウンドチューニング機能が追加されました。
映画試聴などでかなりの威力を発揮し、音がどこから鳴っているのかという位置関係をよりリアルに再現してくれます。
Bad コーデックのレベルダウン
先述しましたが、ノイズキャンセリング機能付きの高級完全ワイヤレスイヤホンは、ほとんどの機種が独自規格のチップを使っているので、apt-xに非対応です。
そんな中ゼンハイザーのものはapt-xに対応している数少ないイヤホンではあるのですが、前作では更に低遅延で使えるapt-xLLに対応していたんですね。
しかし対応機種が少なかったということもあり、コストカットの目的でこのコーデックが排除されてしまいました。
なので動画試聴では問題ないのですが、ゲームで使うには音が1テンポ遅れて聞こえてしまいます。
Bad イコライザーの調整
MOMENTUM True Wirelessシリーズ対応のアプリでは、イコライザーを使って自分の好みに音質を調整出来ます。
このイコライザーが他社製のものと比べて直感的に操作出来るのもメリットではあるのですが、プリセットの音質設定というのが無いんですよね。
これまでに色々なイヤホンを使ってきた人ならば使いやすいというのは間違いありません。
ただ初めてイコライザーというものを使うという人にとっては「自分の好きな音質」というもの自体よくわかっていないことが多いので、おすすめの設定などはあった方が良いですね。
総合評価 高いけど欠点の少ない優等生
MOMENTUM True WirelessⅡは税込み36000円超えと、今回紹介している完全ワイヤレスイヤホンの中では最高額に位置する価格です。
しかし音質面での解像度に音場の広さや定位感、カスタマイズ性など、その金額を出しても妥当だと感じる人がほとんどである、完成度が高いイヤホンです。
唯一通話品質がBOSEなどに劣っていると言われていましたが、アップデートにより改善されたので、今後もしばらくはバージョンアップを施されることが見込まれます。
良いモノを長く使いたいという方には最適ではないでしょうか?
ノイズキャンセリング付き完全ワイヤレスイヤホン
5,Technics:EAH-AZ70W
Panasonic(旧National)の音響ブランドとして、レコードプレーヤーや高級アンプで名を馳せ、一度は惜しまれながらもオーディオ業界から撤退したものの、2014年に復活を遂げたTechnics。
同社からは、空間表現にこだわり抜いた完全ワイヤレスイヤホンが登場しました。
直径10mmのダイナミックドライバーとグラフェンコートの振動板を組み合わせ、その後ろに設けられた空間【アコースティックコントロールチャンバー】を活かした精密な空間表現が特徴です。
アナログ的に空間を設けているので音の奥行きが豊かで、音楽を再生するとノイズキャンセリングも手伝い、部屋の中で聞いているように感じます。
Good 3つの要素で構成したノイズキャンセリング
EAH-AZ70Wで採用されているノイズキャンセリング技術は、外側と内側の両方にマイクを配置したデュアルハイブリットノイズキャンセリングシステム。
SONYのWF-1000XM3でも同様の技術が使われていますが、Technicsの場合はそこへ更にノイズの場所へ応じてデジタル・アナログ制御を使い分けることで確実に騒音をシャットアウト。
Airpods Pro、BOSEと同等のノイズキャンセリングを発揮しながら、音質は上品で奥行きがあるという理想のバランスを実現しました。
Good デザインの高級感
Technicsブランドらしく、デザインはレコードプレイヤーやアンプの調節つまみのように、同心円状のヘアライン加工が施されています。
ケースも全体的にアルミニウム素材で構成され、樹脂素材で仕上げられた他の完全ワイヤレスイヤホンとは一線を画した高級感溢れるデザインとなっています。
個人的には、持っていて最も所有欲を満たしてくれるのはこの製品であるといえます。
Good 長時間リスニングに適したチューニング
EAH-AZ70Wの音質傾向として、BOSEやSONYなどのパンチが強いイヤホンに慣れていると少し大人しく感じるかも知れません。
どちらかというと耳元よりも、少し距離の離れたところから聞こえる感じです。
しかし音が弱いというわけではなく解像度・明瞭感ともに高く、ボーカルの口の開き方などがイメージ出来るような鳴り方ですね。
耳への負担が少なく、かなり長時間聞きっぱなしでも疲れない印象です。
Bad 本体サイズ
10mmの大口径ドライバーに加え、筐体内に一定の空間を設ける必要がある構造上、本体サイズは少し大きめになります。
耳の小さな人や女性が着けるとかなり飛び出して見えるので、どちらかというと骨格のしっかりした男性に向いているデザインですね。
Bad 誤操作が起きやすい
EAH-AZ70Wに搭載されているタッチパッドには、タッチセンサーとBluetooth®アンテナを兼ねている「タッチセンサーアンテナ」が内蔵されています。
Bluetoothの電波が人体(水分)の影響を受けにくいよう、チップ構造の一番外側へ配置されているのですが、すこぶる感度の良いセンサーが広範囲の面積を占めているわけです。
そのため装着する時や、ちょっと位置調整をしようとした時に誤操作が起こりやすいですね。
総合評価 万人向けではないけど、上品で奥行きのあるサウンド
どちらかというとパワーで押し切るのではなく、音楽を俯瞰的に感じることの出来る大人なサウンドという感じです。
同社初の完全ワイヤレスイヤホンということもあり、サイズが大きく操作感には改善の余地ありなので、後継機種でレベルアップされるのを待っても良いかも知れません。
それでもデザインの高級感に、ノイキャンの強さや心地良い空間表現などは評価に値する性能なので、個人的には装着に難がなければオススメです。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
6,JBL:CLUB PRO+ TWS
老舗音響メーカーながら、EDMなどと相性の良い音作りやマーケティング戦略で若者人気も高いJBL。
これまでは5000円〜15000円程度のエントリーモデルをいくつか生み出してきましたが、2020年の年末に初のハイエンドモデルが登場。
その完成度の高さからオーディオ・ガジェット系インフルエンサーが口を揃えて絶賛したことで、生産が追いつかないために二次予約が開始される事態となりました。
Good 解像度の高いドンシャリ
JBL最大の特徴は、万人にウケるドンシャリ音質というところにあるのではないでしょうか。
多くのドンシャリと呼ばれる音は、例えるならばゆで卵のような構造になっています。
白身の部分が低音で、その中に中高音の黄身が詰まっているような状態ですね。
しかしJBLの作るドンシャリというのは、例えるなら目玉焼きですね。
中高音をしっかりと作り込んだ上で低音をガッツリ響かせるとので、全ての音がしっかりと見通せるんですね。
Good 低遅延モードなどを使い分け
この製品で使える専用アプリでは、「ノーマル」「オーディオモード」「ビデオモード」の3つから接続方式を設定することが出来ます。
オーディオモードではわずかに遅延しますが、音源をより精密に解析して高音質化します。
ビデオモードでは動画視聴での遅延がほぼゼロになるので、映画や配信ライブなどの視聴に最適です。
Good プリセットイコライザー
アプリ内のイコライザー機能には、世界的に活躍するDJがチューニングしたプリセット設定が5種類登録されています。
Ankerなどの専用アプリでも採用されているようなシステムですね。
それぞれのチューニングが全く違う個性を持っているので、お気に入りのプリセットを作ったDJのプレイを聞いてみるのも良いかも知れません。
Good コスパの高さ
音質や機能面、通話品質など、CLUB PRO+ TWSはかなり高いレベルで完成された製品となっています。
スペック、ビルドクオリティとしては3万円超えのものと拮抗しているかそれ以上といえるものがあるんですけど、価格が2,0000円弱に収まっています。
このコスパの高さが、インフルエンサーの最も称賛するポイントだといえます。
Bad デフォルトでは真価を発揮しない
アプリを使わずデフォルトの状態だと、少しパンチの弱い音に感じます。
中音域が主役となり、低音に少し距離を感じますね。
デフォルトの状態で勝負してほしい、スマホの容量がギリギリでアプリを入れたくないという方は、別の選択肢を考えた方が良いでしょう。
Bad 音質を追求するなら他にも選択肢あり
音質への評価が高い製品ですが、評価されているのは低音の沈み込みと解像度の高さです。
音質がよく、かつ空間表現が豊かだったり音場の広いといったプラスアルファを求めるのであれば、ゼンハイザーやTechnicsなどが選択肢に入ってくると思います。
総合評価 プレミアム感はないけど誰でも満足出来る実用的アイテム
時計でいうところのG-SHOCKみたいな位置付けのイヤホンではないでしょうか。
ロレックスみたく傷付けないよう大事に使おうとは思わないけど、年齢性別問わず誰にでもマッチして、付加機能も満載。
ただ質感に高級感があるわけではないので、全体的に「ええやん!」とはなるけど「すげえ!」とはならない部類ですね。
その音が持つパワフルさや利便性、実用性と価格を考えると、満足出来ない人はいない製品だと思います。
ノイズキャンセリング付完全ワイヤレスイヤホン
7,Jabra Elite 85t
業務用通信機器の製作を手掛けてきたJabraは、かつて「Jabra STONE」や「Jabra TALK」などの片耳ヘッドセットが人気を博したことでも有名です。
現在の完全ワイヤレスイヤホンで当たり前となった「イヤホン✕充電ケース」という組み合わせをほぼ最初に取り入れた製品といえますね。
そんなモバイル向けの通信技術を長年培ってきた経緯もあり、ノイズキャンセリングの技術もかなり優れています。
前作のJabra Elite 75tに搭載されていたものと比べて倍の大きさとなった、完全ワイヤレスイヤホン業界では最大口径の12mmドライバーを搭載。
落ち着いた見た目によらない迫力の重低音が特徴となります。
Good 精密な外音コントロール
本体ハウジングのメッシュ部分に内蔵されているANCマイクと、内側に配置して耳の中のノイズを捉えるANCマイクを備えたデュアルハイブリット構造のノイズキャンセリング精度は、Airpods ProやBOSEと並ぶと言って良いと思います。
外音コントロールにしても、セミオープン型の構造が手伝いかなり自然。
通話品質もAirpods Proと同じかそれ以上に当たるレベルなので、テレワーク使用にも最適です。
このあたりはさすが通信機器メーカーだと感じました。
Good 誠実かつ空間的なドンシャリ。
この製品もJBLと同じくドンシャリ傾向の音質です。
しかし、JBLが少し狭い部屋で楽器隊が密集して演奏しているように感じるのに対し、こちらは12畳ぐらいのスタジオでバランスよく鳴っているような印象です。
パワーだけでなく、空間的な距離感も緻密に造られていて、JBLとゼンハイザーのちょうど間あたりを狙っているような音質ですね。
Good マルチポイントに対応
Elite 85tは2代同時に接続することが出来、8台までのマルチペアリングにも対応しています。
Airpods Proでも同じような機能がありますが、あっちはiOSの端末でなければ対応していないので、このあたりの機能も含めて「Airpods Proキラー」という呼び声の高い製品となっています。
Good サウンドスケープ機能
アプリの中にイコライザー機能などは当たり前のように入っているのですが、更に作業へ集中したい時に環境音を流す「サウンドスケープ機能」を搭載。
高度なノイズキャンセリングと合わせることで作業効率がアップします。
Good 物理ボタンで操作
多くのハイエンドイヤホンがタッチパネルでの操作を採用している中、Elite 85tは物理ボタンを採用。
誤操作がネックとなっていたTechnicsなどと比べ、絶対に操作ミスを起こすことがないので安心です。
Bad ハイエンドモデルなのにリレー方式
最近のハイエンド完全ワイヤレスイヤホンは、左右同時伝送システムを採用しているものがほとんどとなってきています。
一方を親機として接続した本体に送ったデータを2分割するリレー方式と比べて遅延が少なく、バッテリーの消耗も節約出来るというメリットがあるからです。
対してElite 85tはリレー方式を採用していて、右の本体が親機となっています。
遅延に関しては左右の接続を磁力で行う近距離磁気誘導(NFMI)を採用しているためあまり気にならないのですが、ノイズキャンセリングONの状態で5.5時間しかもたず、右のイヤホンばかりがバッテリーを消耗してしまいます。
Bad ワイヤレス充電のセンサー範囲
Elite 85tはワイヤレス充電に対応していて、ケースの底面にqi規格のセンサーがついています。
ただこのセンサーの範囲が狭く、検知するのに細かく位置を調整しなければならない時があるので、時間だけでいうと普通に有線で接続する方が早いと感じます。
総合評価 テレワークも考えるならこれ一択かも
とにかくマイク性能に優れ、迫力あるドライバー構成によりリスニングも満足のいく出来なので
- 音質のバランスを考えてゼンハイザーと迷う
- ノイズキャンセリングの出来でBOSEと迷う
- 専用イヤーピースによる軽い装着感とクリアな長時間の通話に耐えられるというところでAirpods Proと迷う
という感じで、他の人気機種が持つ特徴をほとんど兼ね備えている機種です。
JBLがG-SHOCKだとすれば、こちらはグランドセイコーにあたる製品だといえるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、ノイズキャンセリング機能付きで人気のハイエンド完全ワイヤレスイヤホン7機種を徹底比較してきました。
やはりハイエンドクラスになるとそれぞれのメーカーが持つ個性を打ち出してくるので、装着感や音質などの特徴によって好き嫌いが分かれる部分もあるとおもいます。
iphoneユーザーであまり悩みたくないという型であれば迷わずAirpods Proを選べば良いといえますし、今Airpods Proを使っていてもう少し音質をレベルアップさせたいという目的であればJabra Elite 85tが候補に上がるでしょう。
聞く音楽のジャンルがクラシックなどの奥行きがあり、きらびやかな表現を求めるのであれば、ゼンハイザーのMOMENTUM True Wireless ⅡかTechnics EAH-AZ70W、SONYのWF-1000XM3あたりが最適といえます。
逆にヒップホップやハードロックなど、迫力を重視するのであればBOSEのQuietConfort Earbuds、JBLのCLUB PRO+ TWS、Jabra Elite 85tといったドンシャリ系と相性が良いでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自分に最適な機種を選びましょう。
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