最近電車の中などで、完全ワイヤレスイヤホンの使用者をよく見かけるようになりました。
一つだけ残念なのは、流行が先行しすぎていて、商品のことをよく分からずに買ってる人が多いこと。
下写真のように、製品の正しい装着方法を分からずに使っている人もいるぐらいです。
https://win-tab.net/acc/soundpeats_q32_review_1806293/
端から見ても間抜けなのですが、かといって指摘することも躊躇われますので、歯がゆい思いです。
今回は、完全ワイヤレスイヤホンが流行っているから買いたいけれど、何を基準に選べば良いのか分からない方のために、初めての完全ワイヤレスイヤホン購入で失敗しない高コスパの商品を判断する条件と、それを踏まえた最もおすすめの製品3点をご紹介します。
本記事の内容
AirPodsでいいの?
初めて買う完全ワイヤレスイヤホンは何を選べば良いのでしょうか?
iPhoneユーザーであればとりあえずAir podsを買っておけば良いという声もありますが、正直iPhoneとの接続性が良いというところを除けば、遮音性がないため電車で使いづらく、装着感がかなり人を選び、音質はスカスカ。また、そのデザイン性から「耳からうどん生えてるよ?」と揶揄されたりと、あまり良いところがなく、しかも金額は2万円近くします。
28000円ほど出せばノイズキャンセリングの搭載された最新モデル「Air pods pro」も手に入りますが、推せるところとしてはノイズキャンセリングの強さとiPhoneとの接続性の良さというところで、音質の評価はあまりされていません。
Androidユーザーにとってのメリットはあまりなく、2020年に入ってから新しいチップが開発されたので、これから先2万円以内で手に入るノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンが増えてきます。
勉強代としてはかなり高いですね。
予算の決め方は?
ピンからキリまである完全ワイヤレスイヤホンの中でも、どれぐらいの予算のものから選べば良いのかで悩む方も多いかと思います。
ある程度音質がよく、買った後に不満が出ないものを選ぼうと思えば、だいたい8000~15000円程度のクラスから見ておけばまず間違いないでしょう。
これより安いと音質や装着感、耐久性などに不満を感じることが多く、高くなるとバリエーションが多すぎて、いわゆるイヤホンスパイラルにはまってしまいます。
かく言う筆者も、高いものでは4万円近くの製品に手を出したこともありましたが、結果として高ければ良いというものでもないことが分かりましたので、次の章からは初めて完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に確認しておくべきポイントをお伝えします。
こだわるべきポイントは?
完全ワイヤレスイヤホンでは、普通のイヤホンにはない独特な規格や条件があり、それぞれが音質や接続性を左右します。
コーデック
コーデックとは、完全ワイヤレスイヤホンをBluetoothで接続する際のデータ圧縮規格を差します。
基本的には圧縮率の高いものほど耳に届く音の情報量が少なく低音質、圧縮率の低いものほど原音に近く高音質なコーデックとなります。
SBC 圧縮率:少し高い
基本の圧縮コーデックとなるのはSBCというもので、こちらは多くの完全ワイヤレスイヤホンに採用されています。
AAC 圧縮率:中~低め
Apple製品に対応する圧縮規格として開発されたのがAACというものであり、iPhoneなどでの使用環境ではSBCに比べて遅延が少なく、音が途切れにくいとされています。
Apt-x 圧縮率:最も低い
Apple製品以外での端末で使用する際、最も高音質とされるのがApt-xというコーデックです。端末側もこの規格に対応している必要がありますが、圧縮率が低く、送られるデータ量に比例して音の情報量が多いことが特徴となります。
このコーデックの派生として、最も遅延の少ないApt-x LLや、ハイレゾレベルの音質を再現するApt-x HDというものも展開されています。
Apt-xが対応していれば他のコーデックも基本的に対応しているので、とりあえずこのコーデックを条件に選ぶのがコスパの高い完全ワイヤレスイヤホンを探す最も近道といえます。
装着感
最初の写真のように、正しい付け方が分かっていなければ元も子もありませんが、高い装着感も重要な要素です。
ケーブルがない分、普通のイヤホンよりも失くしやすいので、しっかりと自分の耳にフィットするものを選びましょう。
特に完全ワイヤレスイヤホンは色々な技術を詰め込んでいるため、普通のイヤホンよりも少し大きいものが多いので注意しましょう。
バッテリー容量
完全ワイヤレスイヤホンは基本的に充電式ですが、耳に入れる小さなデバイスの為、本体に積み込めるバッテリー容量に限りがあります。
完全ワイヤレスイヤホンが開発された当初は、連続再生時間が約2~3時間というものが多かったのですが、最近は10~14時間持続する機種も出ています。
特に米クアルコム社が各メーカーに供給するQCC3026やQCC3020という接続チップを搭載しているものは、バッテリーの持ちが長い傾向にあります。
完全ワイヤレスの仕組み

出典元:https://saboten-life.com/android-for-true-wireless-earphone
基本的に完全ワイヤレスイヤホンというのは左右どちらかのデバイスを親機として、そこに再生端末から左右両方分の音情報を送信。そこからもう片方に半分の信号を飛ばしているのですが、この場合はどちらか一方のバッテリー消費が早まってしまいます。
上記のクアルコム社が開発したチップでは、左右それぞれのデバイスを個別で接続し、使うタイミングによってバッテリーの残量が多い方を親機に設定します。このシステムにより、従来の2~3倍以上ものバッテリー持ちを実現したのです。
また、接続の安定性にも貢献しており、左右間・端末間での音切れが極限まで抑えられる効果もあります。
防水性能
その手軽さから、スポーツ用途としても有用とされる完全ワイヤレスイヤホン。
普段運動をすることがなくとも、夏の暑い日に汗をかく環境で使うこともあるので、防水性能が備わっていると安心です。
完全ワイヤレスイヤホンで防水モデルとされている機種の防水等級としては、IPX4~IPX7までのものが多く見られます。
IPX4(防沫形)
IPX4は、飛沫に対する保護を規定している。同様の散水装置を用い、各散水口あたり0.07L/minの水量で、あらゆる角度からの散水を行い、最低5分間の散水で浸水がないことを確認する。
IPX5(防噴流形)
IPX5は、噴流水に対する保護を規定している。φ6.3の放水ノズルから放出される12.5L/minの水流を、あらゆる方向から、外皮表面積1m2あたり1分間、延べ3分間以上の散水を行い、浸水がないことを確認する。
IPX6(耐水形)
IPX6は、波浪に対する保護を規定している。φ12.5の放水ノズルから放出される100L/minの水流を、あらゆる方向から、外皮表面積1m2あたり1分間、延べ3分間以上の散水を行い、浸水がないことを確認する。
IPX7(防浸形)
IPX7は、水中への浸漬に対する保護を規定している。水深1mの水槽に、電気機器を30分間没し、浸水がないことを確認する。
防水仕様の携帯電話など、一時的な水没に対して保護されている電気機器は、IPX7以上の性能を持たせている。常時水没する場所でIPX7の性能は不足のため、IPX8または特殊機能が必要となる。
引用元:https://electric-facilities.jp/denki3/ip.html
結局どれが高コスパなの?
先述した予算の中でもコスパの高い機種としては、どれを選べばよいのでしょうか?
ここまで紹の介した内容をまとめると、8000~15000円程度でApt-x対応(他のコーデックも全て対応するため)、耳にフィットするデザインでバッテリー時間が長く(長時間のリスニングが可能)、防水性能も備えている(使用環境を選ばない)機種というのが、最も狙いどころといえます。
AVIOT:TE-D01d
日本で最も売れている完全ワイヤレスイヤホン
- 対応コーデック:SBC AAC Apt-x
- QCC3026搭載
- 連続再生時間:10時間 充電ケース込み約50時間
- 防水規格:IPX7
価格:8882円
大手イヤホン代理店として知られるバリュートレードが立ち上げた自社ブランドであり、中音域の解像度にフォーカスして日本人好みのチューニングを施したJapan Tunedにこだわりを持つ機種です。
小ぶりでシンプルな筐体で、フィット感は良好です。
カラーリングはブラック・ネイビー・カーディナルレッド・パールホワイト・アイボリーの3色が展開されており、高級車の塗装にも使われる技術を用いて製造されているとのこと。
音質はダイナミック型らしい気持ち低音を持ち上げた自然な印象で、その聞きやすさや接続の良さから、今日本で最も売れている完全ワイヤレスイヤホンと言われています。
もう一つの特徴として、電源のON、OFFやペアリング時の音声ガイダンスに日本語が流れるようになっており、操作がしやすいというところでも高評価を得ています。
また、防水規格はIPX7を備えており、スポーツ用途としても使えます。
ZERO AUDIO:TWZ-1000
ZERO AUDIO TWZ-1000 完全ワイヤレス イヤホン
途切れに強く、グラフェンコート振動版を採用したパワフル選手
- 対応コーデック:SBC AAC Apt-x
- イヤーループにより固定
- QCC3026搭載
- 連続再生時間:7時間 充電ケース込み約28時間
- グラフェン素材を使用した振動版により、解像度の高い音質を実現
- 防水規格:IPX5
価格:12838円
TWZ-1000は、インフラ事業を主に扱う協和ハーモネット株式会社が、ネットワーク事業のノウハウを無線接続技術に活かして立ち上げたオーディオブランド、ZERO AUDIOから発売された完全ワイヤレスイヤホンです。
人間工学に基づいたデザインの本体とイヤーループによる快適な装着感を持ち合わせており、完全ワイヤレスイヤホンの市場では比較的早い段階でグラフェン素材の振動板を採用している機種です。
中音域の抜け感と低音の量感が顕著に出ているドンシャリタイプで、アタック感の強いロック等の音源に向いている音質です。
先述したTE-D01dは人によってはフィット感が安定しないという声もあり、より集中してリスニング出来る機種を探している方に向いている機種であるといえます。
また、本体はタッチ操作となっており、感度もほどほどで誤操作が少なく、全体的に使い勝手の良い機種です。
また、カラーリングはブラックのみとなります。
防水規格は、こちらも同じくIPX4を備えています。
追記:現在Amazonクラシックカード新期入会で5000ポイントをプレゼント
入会特典を利用すると7838円で購入することが出来ます。
NUARL:NT110
NUARL 完全ワイヤレスイヤホン ホワイト IPX7防水 Bluetooth5.0 NT110-WH
ブランドの上品さとスポーツモデルのパワフルさ・フィット感とを併せ持つ高好感度モデル
- 対応コーデック:SBC AAC Apt-x
- イヤーフィンにより固定する小型フォルム
- QCC3020搭載
- 連続再生時間:9.5時間 充電ケース込み約65時間
- グラフェン素材を使用した振動版により、解像度の高い音質を実現
- 防水規格:IPX7
価格:10250円
コンシュマー向け電子製品のOEM/ODM業務を行う株式会社エム・ティ・アイが一般ユーザー向けのオーディオブランドとして企画したNUARLより、スポーツにも使える完全ワイヤレスイヤホンの最新モデルがリリースされています。
サイズはここまで紹介した機種の中でも最も小さく、本体後部のイヤーフィンを耳の窪みに当てて固定するようになっているのですが、他の機種と比べても装着時の違和感が少なく、女性でも使いやすいといえます。
カラーリングはブラック・ホワイトの2色展開となります。
完全ワイヤレスの中では最高クラスの防水規格IPX7を備えており、スポーツモデルとしての顔を持ち合わせています。
音質的にもそれを証明するポイントとして、ランニング中でも音が聞き取り易いよう、先述した2機種とは異なるQCC3020を搭載することにより、低音の量感が多めの弱ドンシャリといった音質に仕上げています。しかしグラフェン素材の振動版により全体的な解像度も高く、1音ずつを正確かつ上品に鳴らす印象も持ち合わせており、普段使いでも高いパフォーマンスを発揮します。
特に最近人気の音楽に見られる傾向であるような、生楽器と電子音をミックスされているような音源との相性が抜群といえます。
ベストバイはこれ
これまで紹介した完全ワイヤレスイヤホンの中でも、コスパ重視で最もおすすめ出来るのは、最後に紹介したNT110となります。
最大の理由としては、3つの中でも最もコンパクトかつ快適なフィット感と、今の音楽シーンに合った音質であるという点です。
男女問わず耳からあまり飛び出ないデザインとなっており、フィンによる装着感もイヤーループのものと比べて違和感が少なく、長時間着けていても痛くなったりすることがありません。
また最近の音楽の傾向にあるように、ダンスミュージックとアコースティックの中間にあたるようなサウンドと相性が良いので、official髭男dismや米津玄師、King Gnuといったアーテストが好きな方は気持ちよく聞けること請け合いです。個人的には米津玄師「海の幽霊」でのサビで流れる沈み込むようなベース音を、最も魅力的に鳴らす機種であると感じました。
いかがでしたでしょうか?
完全ワイヤレスイヤホンは、現在オーディオ業界でも最も成長率の大きい市場となっており、毎週のように新製品が開発されています。
今回はその中でも音の評価が高く、シンプルかつ快適に使える高コスパ製品をご紹介しました。
予算を上方修正すれば、ノイズキャンセリングの搭載されているものやスマホアプリで無限に音質調整が出来るものなどもありますが、それらの機能をフル活用することが無ければ宝の持ち腐れになってしまいます。
これから先、魅力的な新製品が発表された時には、こちらでお伝えした条件を参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回の記事でまたお会いしましょう。
▼2020年最新版の完全ワイヤレスイヤホンランキングはこちら