新型コロナウィルスCOVID-19(コヴィッド19)の感染拡大に伴って、過去に制作されたパニック映画が感染への意識向上につながるとあり、今見直されています。
先日は妻夫木聡主演の「感染列島」を紹介しましたが、今回はYouTubeでもはじめしゃちょーが紹介していた2011年公開のスティーヴン・ソダ―バーグ監督作品「コンテイジョン」について紹介します。
はじめしゃちょーの動画で気になっていたけどレンタルするお金の余裕がない、外に出ないようにしているという方は、以下の方法でご覧ください。
正直ここで御託を並べるよりも、自分の目で見た方が多くの教訓を得られます。
「コンテイジョン」は、U-NEXTやNETFLIX、もしくはHuluなどの各動画配信サービスで無料視聴することが出来ます。
コンテイジョンのあらすじは?
コンテイジョン (字幕版)
「コンテイジョン」では、世界的なウィルス感染が起こってから終息するまでの144日間を描いています。
この物語で最初に出てくる言葉は「DAY2」つまり2日目です。
なぜDAY1ではないのか? それはこの映画を最後まで見れば明らかになります。
細かいネタバレを避けて重要な部分を紹介してゆきますが、オープニングはシカゴの空港でクヴィネス・パルトロー演じるベス・エムホフという女性が咳をする場面から始まります。
電話で話す相手はベスと前日に会っていたようで、彼女との別れを惜しみます。
帰宅した彼女を夫のミッチが出迎えます。帰ってからずっと咳をしていた彼女を気遣いますが、ほどなくしてベスは痙攣し、泡を吹いて倒れます。
病院で死亡が確認され、原因が分からないと伝えられるミッチ。
追い打ちをかけるように、数日前から体調を崩していた息子のクラークも同じ発作を引き起こして死んでしまいます。
同じ頃、シカゴ・香港・東京で同様の症状を引き起こす患者が現れ始め、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)とWHOは、未知なるウィルスの調査に乗り出します。
ソダーバーグならではの豪華出演者
この映画はウィルスに対する免疫を持つ親子と、ウィルスの正体や感染ルートの究明に従事する医師、陰謀論を展開するカリスマブロガーという三つの軸によってストーリーが進みます。
市民代表として描かれる父親のミッチには、同監督の「オーシャンズ」シリーズで先輩俳優に可愛がられていたマット・デイモンが。
香港で感染ルートを究明するWHO職員のレオノーラには、「インセプション」など話題作への出演が多いフランス人女優のマリオン・コティヤール。
またCDCのチーヴァ―医師には「マトリックス」シリーズで有名なローレンス・フィッシュバーンが演じ、その部下でワクチンの開発を行う女性局員エリンを「タイタニック」で名を馳せたケイト・ウィンスレットが。
更にカリスマブロガーのアランを世界一セクシーなハゲと名高い(「シャーロック・ホームズ」シリーズで人気の)ジュード・ロウが演じます。
これだけの豪華俳優陣を使いながらも、役柄上カリスマ性が必要なジュード・ロウ以外はそのオーラを抑え、それぞれのキャラクターにリアリティを持たせることに成功しています。
リアルを追求した結果
この映画は、良い意味で地味です。地味というのは、現実に即したリアルを淡々と描いているという点にあります。
実際にCDCとWHOへ取材を重ね、出演俳優自身も防護服の扱いや予防策の履行を学ぶために局員と時間を共にしています。
致死率25%のウィルスが蔓延した場合、医療組織はどのような対応を取るのか。また政府が都市封鎖を行った場合どのような影響が出るのか、更にはネットの世界での情報拡散が及ぼす影響についてもリサーチされ、そのまま映像化されています。
その結果として、この映画が描いている光景は最初から最後まで、今回の新型コロナウィルスによるパンデミックと全く同じものとなるのでした。
伝えるべきことは
「コンテイジョン」を通して伝えるべきことは、同じような事態が起こった時に適切な行動が出来るかということです。
感染によるパニックに陥った人々へ、アランは「レンギョウ」が治療に効いたというデマを流します。
根拠のない情報を妄信せず、物事の本質を見極めて正しい判断が出来るのかどうか。
国に十分な蓄えがなく、そんなデマが横行した結果暴動が起こる一方で、医療関係者はパンデミックを終息させるため、命がけでワクチンの生成を行います。
また、非常に高い致死率を持つウィルスが流行しても、144日で終息しているという点も見逃してはなりません。
医療組織としては、市民が団結して半年程度を耐えしのげば、事態は最小限の被害で納めることが出来るよう計画立てているということが分かります。
感染症の正しい知識を提示
作中では感染症に関しての有益な情報が多数登場します。
たとえばこの映画では、マスクや防護服を身に付ける描写はもちろんあるのですが、それ以上に接触感染によるウィルスの伝搬に重きを置いています。
今回連日報道されているコロナ感染者も、半数以上が感染ルート不明という結果が出ています。
接触感染の恐怖
作中でエリンが語った言葉を借りれば、人は1日に平均2~3000回に及んで何かしらのモノに触れています。
誰と話したのかを覚えていても、何に触れたのかはいちいち覚えていないのです。
電車の吊り革は意識していても、手すりには無意識に掴まってしまいます。買い物を現金ですれば誰が触ったのか分からない紙幣や小銭を受け取りますし、外食した店で使われている食材がどういうルートを通り、どのような処理をされているのかなど知る由もありません。
ネタバレとなってしまいますが、この映画で最初のクラスターとなったのは、香港のレストランでブタ料理を触ったウェイターです。
飛沫感染は近距離だけのリスクですが、接触感染は遠く離れた知らない人にまで伝達します。
マスクで顔を覆っていても、手を洗っていなければ何も予防は出来ていないのと同じなのです。
また、作中で1人のクラスターから2人に感染する場合(R-O数値2)は、世界の予想感染者数が800万人以上に及ぶと予想しています。
今回の新型コロナウィルスでは1人から5人に感染すると言われているので、何もせずに半年が経過すると天文学的数字になるのは想像に難くありません。
※追記
この記事を執筆している4/14現在、CDCによる発表がありました。
飛沫とは別に水蒸気と混ざってウィルスが運ばれることもあるため、ソーシャルディスタンスを4m空けていても感染する可能性があるとのことです。
不織布と鼻の隙間から漏れる空気にも水蒸気は含まれているので、マスクを着けていても決して安心してはいけません。
出演キャストが動画を公開
今回の感染拡大を受け、出演していたケイト・ウィンスレットとマット・デイモンが動画を公開しています。
ケイト・ウィンスレットは手洗いの正しい方法を、科学的なメカニズムと共にレクチャーしました。
マット・デイモンは、ソーシャル・ディスタンスを守ることによって事態を早く終息させられるという知識を通して、専門家の意見に耳を傾けることについて話し、未だに事態を重く見ていない若者世代に語り掛けました。
基本的には自宅で過ごし、止むを得ず外へ出なければならない際は接触感染のリスクを十分に考え、都度都度手を洗う。その行動でお互いの命を守れるということを伝えるのが目的です。
まだまだ守れていない現実
僕は普段サービス業に従事しているので、毎日外へ出なければならないのですが、職場の周りにもまだまだ人が沢山います。
特に目に付くのは、意外とお年寄りが多いという点です。
感染したら死亡するリスクが最も高いのに、買い物ついでに店員と話すことを目的としている一人暮らしの老人もいます。
もしも痴呆の兆しがある親や祖父母がいれば、毎日声をかけて外出をしないよう促してください。離れて暮らしていれば見守りカメラを設置するなどして、スピーカーや電話でやり取りするなどしてください。
3000円程度の出費は、親族の命を守るのに高いものでしょうか?
日本がまだ都市封鎖 ―ロックダウン― に踏み切らないのは、一人一人が自覚をもって行動出来るという希望があるからです。
それが出来なければ法律で外出を禁止されます。しかも、そうなれば抑圧で膨れ上がった不満は一斉に爆発し、暴動が起きるリスクもあります。
暴動が起きれば人が密集し、結果的に感染爆発が起こります。そのような最悪の事態を含めて、これからの行動を考えゆくべきではないでしょうか。
「コンテイジョン」を無料で見るには、
U-NEXTとNETFLIXは31日間、Huluは14日間の無料期間が設けられているので、他に見たい作品が無ければその間に解約してしまえばOKです。
他に人気のコンテンツとして、U-NEXTはアーティストのライブや舞台などの映像がかなり豊富で、NETFLIXは莫大な予算をかけたオリジナル作品が豊富です。Huluは海外ドラマをいち早く見ることが出来ます。
もしまだどれにも登録していないという方がいれば、自分の目的に合うものを選んでください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
伝えるべきことが多く、いつもよりまとまりが少ない記事になってしまいましたが、他にもおすすめの作品があればまたご紹介しようと思います。
それでは。